QRコード決済は人手不足対策にも有効か

今日は顧問先の経営課題検討会に同席しました。
経営トップや幹部社員を含めたこの検討会での喫緊の課題は、やはり人手不足対策でした。
優れた技術や地域に根ざしたサービス、過去の投資蓄積といったベースがありながら、人手不足で事業展開が思うように進まない。

もちろん人手不足対策には、適切な方法で求人を行って良い人を採用し、働きやすい職場を作ることで定着率を上げることが必要です。
しかし、同時に業務効率を上げて労働時間を削減することも両輪で回していく必要があります。

この会社は業種的にキャッシュレス決済が業務効率化に有効と考え、電子マネー決済システムの導入を検討することになりました。

しかし、次のような懸念事項もあり導入に躊躇している状況でした。

キャッシュレス決済に踏み切れない理由
導入コストや3%前後の決済手数料が経営に重くのしかかる
手数料を支払って、なお補えるほどの生産性向上が見込めるのか見えない
地域的にまだまだ現金決済が主流のなかで、利用者にそこまで喜んでもらえるのか不明瞭
とはいえ、業種柄、社員の稼働率や防犯性、安全性の面でも現金決済よりキャッシュレス決済にメリットがあることは明らかです。
また中国・韓国のようにキャッシュレス決済比率が60%以上と日常的になっている国からの旅行者は、現金決済を嫌う傾向があるようです。
最近のインバウンド需要を十分にすくいきれていない課題もあり、この会社は電子マネー決済システムを導入する方向で進めることになりました。

2015年時点でキャッシュレス決済比率18.7%と非常に遅れている日本でも、国が2025年までに40%まで高める目標に掲げています。
しかし、この会社に限らず、中小企業がキャッシュレス決済に踏み切れないのは、導入コストと手数料です。導入コスト自体はだいぶ下がってきたとはいえ、3%前後の手数料が重荷になるのは明らかです。


そうしたなか、QRコード決済が出てきて急に状況が変わってきました。というのもQRコード決済では、小売店等に対して導入コスト、決済手数料0円をうたい文句にするサービス事業者が出てきたからです。

しかし、導入する側には明らかなメリットがありながら、利用者側のメリットが不明瞭なのがQRコード決済の課題でした。つまり、交通系電子マネーを使い慣れた人は、端末にタッチするだけで決済できることに慣れています。そうした人は、アプリを立ち上げてQRコードを読み取ったり、金額を入力することには抵抗を感じるはずです。

しかし、これもソフトバンクとYahoo!が共同出資して生まれた「PayPay」が流れを変えそうです。
「PayPay」は利用者にその場で0.5%を還元するといっているからです。これによりQRコード決済に利用者側のメリットも生まれ、普及が進む可能性が見えてきました。
こうした流れは、既存の電子マネーの決済手数料も押し下げる可能性があります。そうなると様々な業種で一気にキャッシュレス決済が進み、労働時間短縮や人手不足対策に一定の貢献が見られるかもしれません。

ちなみに、私も「PayPay」を使ってみたところ、アプリのダウンロードから入金チャージまでは約2~3分と非常にスムーズでした。Yahoo!マネーが決済に使えるのも便利です。

今後もキャッシュレス決済、電子マネーの動向から目が離せません。

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